PXiD(ピクシド)、あるいはウェルバイクの誘惑

ハンドルをたたむのも、シートを外すのも簡単なので、軽ワゴンなら御覧の通り十分積載可能。

 ウェルバイク(Welbike)を御存じですか。エクセシオール・ウェルバイクと言った方がピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。ウィキペディア*によると「イギリスで1942~1945年に作られたシングルシートの折りたたみ式オートバイ」とのことで、主に飛行機で空輸して使うことを想定して作られたもののようです。
 同サイトによると、この時期、イタリア、ドイツ、アメリカなどでも同様のものを開発していたとのこと。ウェルバイクのスペックは乾燥重量32kgで燃料が3.7ℓなので、満タンで約35㎏弱。これが軽いか重たいかは人それぞれでしょうが、とにかく飛行機に積んで空からパラシュートで降下させて、地上を自在に動き回れるようにするためのものだったようです。  
 一方私がPXiD(ピクシド)が折りたたみできると知った時に、真っ先に思い浮かべたのはホンダのモトコンポでした。初代シティ発売時にセット?で発売された折りたたみ式のバイクです(そういえば2023年アメリカで電動の、アタッシュケースみたいな、モトコンコンパクトが発表されました。ただしそのまま日本で使うというわけにはいかないみたいですが)。ある程度以上の世代にはこちらの方がなじみがあると思います。ついでに触れておけばモトコンポは乾燥重量42㎏、PXiDもバッテリーを外してしまえば(カンタンです)似たようなものではないかと想像できます。
 そんな連想から「折りたたみオートバイ」(=フォールディング・モーターサイクル)に興味を持って辿っていったら、ウェルバイクという存在に行き当たったというわけです。ちなみにフォールディング・バイクというと現在一般的には「折りたたみ自転車」を指すようです。モールトンとかダホン、KHSと言うと、ある向きにはイメージしやすいかもしれません。
 ついでに触れておくとウェルバイクは(ウィキペディアに載っているスペックによると)サスペンションなしのシングルスピード—しかも状況から考えると整備された安全な道路を走ることは望むべくもないでしょうから—快適さは推して知るべし、といったところ。PXiDは前テレスコピック、後はリーン機構付きのモノサスペンションを装備、しかも電動。この辺りはさすがに現代のモビリティです。
 ちなみに先に挙げたウィキペディアには、ウェルバイクの「遺産」として「折りたたみオートバイというアイディアは日本製のホンダのモトコンポのデザインに影響を与えた」とされています。
 持ち運んで、移動先で自由に動き回る足が欲しい—折りたたみ式オートバイはいつの時代にも人の心をくすぐるところがあるようです。

*https://en.wikipedia.org/wiki/Welbike

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¥283,800(F2 600 原付)、¥294,800(F2 1000 原付二種)、当店にて発売中。

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